キャンプで新しい自分が見つかるほど若くはないけど
コロナもあるので主要な観光地はあまり訪れることなく、主にキャンプや車中泊をしながら10日間の北海道旅を終えた。
序盤は雨が降ったり止んだりのどんよりした天候だったが、後半は晴れ間も見え出し寒くもなく、美味しいものを食べ、美しい景色を見、たくさんの話をする旅となった。
私の人生といえば、あるところで価値観、哲学、人生観とかそういった類のものが突然に180度一変していて、それから自分の本質とか過去とか人間関係とか、そのあたりの私を取り巻く諸々と今の自分との整合性について、私はずっと悩んできたように思う。
正直、いろいろなことが重なった挙句、にっちもさっちも行かなくなって、心療内科に通ったりもした。
蟻が蟻地獄に落ちればどんなに歩を進めても脱出できないのと同じように、私は私の精神を平坦な道に戻すことができなくなっていた。
蟻地獄にさえ落ちなければ、山も谷もなんとか乗り越えていくことができるのだ。
今回の旅は、弟のおかげもあって、精神の脱出を図る旅になった気がする。
抜け出せたかどうかは分からない。
未だ蟻地獄にいて、ただ平坦な道が少し近づいただけかもしれないし、蟻地獄を脱していたとしても、昔はたやすく越えられていた山や谷が、私の中でとてつもない山や谷に変貌しているのかもしれない。
それは、控えている私の長い人生にとって、ハンデになる。
しかし、この旅を思い出して、しばらくはここに立ち返ることができる。
これもやっぱり、宗教みたいなものだ。
かつて簡単に見つかっていた新しい自分みたいなものは、もうキャンプ程度では見つからない。
そう簡単にワクワクなんてしない。
そういう年齢になってしまったのだ。
それでもそういう私を理解して新しい道筋と希望を与えてくれた弟、ありがとう。
物事に直接アクセスして行きたい。自分の感覚で。
知床をぐるりと回り、温泉に寄ったりしながら南下してきた。
霧多布や釧路、厚岸を経て、間もなく帯広。天気は概ね曇り。
道中は鹿や狐に山ほど遭遇。ヒグマが目撃されている地域もあった。
過去、札幌や小樽、函館、登別あたりは旅行してきたが、道東側は初めてである。
運転は弟に任せきりで車窓を眺めていると、そのほとんどは森か牧場か牧草地帯のどれかである。
点在するかまぼこ型の建物が可愛らしい。
車で走ると、ともかく北海道感がすごい。北海道そのものなのだから「感」も何もないけれど、ひたすらイメージ通りの北海道だ。
↑これは厚岸の牡蠣
本日もキャンプ。
深夜に雨が降らないことを祈りながら早目に眠りにつくとする。
おやすみなさい。